2022年02月24日

もじもじ

左下からそっと、
額あてを付けた顔を、洗面台の鏡に映してみました。
少し、照れるとです(笑)

 

何しろ奉務をお休みしている間は、毛玉のついた靴下を履き、これまた毛玉のついた“割烹着”ばかり着ていましたから。

 

久方ぶりに、白衣に袖を通し、狩衣を纏うと『偉そうに、こんな格好していいのかなぁ。』とさえ思えてしまい、娘に
「ね、なんかもじもじしてしまうような、格好つけてるような変な感じ。」
と言うと、
「うん。なんかイキってる人みたい。」
と、サラリと流されてしまいました(笑)

 

『もう少し絡んで欲しいのにな』と、心で娘との時間を惜しんでいると、
「ピンポーン」
と、玄関のチャイムが鳴りました。
リビングルームからは、道路に軽ワンボックス車が横付けされ、荷物を手にする中年の男性が見えています。

 

まだ、完全に正装を終えていなかった私は、二階に上がり模試の訂正をせむとする娘を呼び止め、代わりに出てもらうよう促しました。

 

「何してんの?早く出てよ。」
と言うと、
「マスクがない…」
と、懸命に探しています。

 

私は、娘が可愛く思えて、
「お年頃だねぇ。でも、どうせ相手は、初老のおっさんなんだから、恥ずかしくなんかないって!」
と、イキって言いました。すると、

 

「いや、そういうことじゃない。ウイルスは人を選ばない。」
と、冷静に言われてしまいました(笑)

 

そうです!
懸念するは、コロナです!!
彼女の仰る通り!!

 

『これだから、おばさんは(笑)』と、言語化されないけれども、母娘だから分かる以心伝心がそこにあり、マスクをする意義が、そもそもの趣旨からズレていたことを猛省することでした。

 

既に、奉務を再開して幾日か経ちますが、しばらくは休みがありません。
日向高千穂神道は、今の時期は基本ブラックです(笑)

 

そんな私の状を見て、狭野宮の小多田神職は、
「慶子さんのお時間は神の御心の内ですから、ご自身でも思うようにならないのですね。」
「気も心も、そして言霊をひたぶるに消耗する生業なのですから、どうかご無理だけはなさらずに。心を寄せてのご奉務、ご苦労様です。」
と労ってくれています。
が、そんな尊いこと言われたら、やるしかないやろー(笑)
(※“惚れてまうやろーー!”みたいに読んでください。)

 

私は、この小多田神職から発せられる言葉も、実は神代の世界からとして聞かされていると睨んでいます(笑)

 

「4年半前に視て頂いた者です。」
と、東京在住の方。
「神さまの仰られた通り、本当にあれから4つ下の、その通りの方と出会い結婚しました。ありがとうございました。今日は仕事のことで、お願いします。」
と、報告から始まる形での電話相談を始め、次々にエピソードを頂いております。

 

また、この期間を待って待って、やっと昇殿の運びとなり、大神さまに御神託を戴いて、心からスッキリしてお帰りになられる氏子さま方も連なります。

 

そのお姿を笑顔で見送っていると、もう先程の更衣の際のもじもじ感は完全に昇華されていました。
時を頂戴しましたのに、お待ちくださった氏子さま方の為に、余すことなくご奉仕させて頂いております。

 

娘たちのお雛様は、珍しい“立雛”です。これなら、簡単に出し入れ出来ますから(笑)

 

しかし、出し入れは簡単ですが、大変なことに毎日の如く飾り直しです。
また、お内裏様の烏帽子を外し、花を入れ替え、手前の花(橘)に掛けてある…。

本当は、『左近の桜、右近の橘』なのに(泣)

我が家のちいさなお雛さまの仕業です(笑)