2025年12月18日

夜分のメール(後半)

私:「みきさんがそうなさりたくて仕方がないのは、みきさんのお父さんの思いが入っているからです。」

 

みきさん:「え?なんですと!」

 

私:「親切にしてあげなさいって。」

 

みきさん:「わかりましたぁっっ(泣)」

 

 

私はみきさんのお父さまがすでにお亡くなりになっていることは以前から知っていました。

そのお父さまが、みきさんとのメールのやり取りの最中に急に存在を視せてくだったのです。肌着姿で(笑)

 

 

私:「お父さんもいろんな方を見て来られたようですね。特定の人ばかりに偏って手助けするようなことはできなかったと言われています。だからそのホームレスの方に、おはぎを持って行ってあげなさいって。」

 

みきさん:「父は、地元で困ってる旅行者とかをしょっちゅう連れてきてはご飯食べさせてました‥。(泣)山形屋の美味しいおはぎを買います!」

 

私:「なるほど〜!お父さんもそのような行いをなさる方だったのですね。だから、出て来られたのかぁ。そのホームレスさん、正月の先取りですね!」

 

みきさん:「はい。私も地元にいた頃は、旅行者が道の途中で疲れたり辛そうにされてるのに気づくと、車に乗っていただいていました。母には、血だねぇ‥と言われていましたよ。」

 

私:「さすが!それは素晴らしい血統です!」

 

みきさん:「思わぬところで父のメッセージを聞くことになりました(泣)」

 

私:「あっ、そうそう。お父さん、サトウキビをかじりたいそうですよ。天国で暇なんですって。」

 

みきさん:「天国で暇って!そういえばサトウキビの時期です。」

 

私:「へぇ、そうなんですね!いつくらいからが時期なんですか?」

 

みきさん:「12月から2月くらいかなぁ。この時期、父方の祖父がサトウキビから黒糖を作るのをよく見てました。」

 

私:「知らなかったー!教えてくださりありがとうございます。勉強になりました!」

 

みきさん:「もう地元で黒糖を作る人も居なくなってきました‥。寂しいです。父にあげるサトウキビ、あるかなぁ‥。」

 

私:「ふふっ!お父さんが、娘は可愛いって、よく世話してくれた、って今、言ってますよ。お父さんが病床に伏せている時期、みきさんが洗濯物を畳む姿を見て幸せだったらしいです。新婚か!」

 

みきさん:「もー、あんまり泣かさないでくださいよぉ、金城さーん。ホームレス支援がこんな話に!」

 

私:「だって、今、お父さんが間に入ってますからね。私的には、今三人でメールやり取りしてる感じです。笑」

 

みきさん:「今夜、娘の塾が終わるのを待っている間、泣きながら金城さんにメールしたのも、父からのメッセージが込められていたとは‥。泣」

 

私:「みきさん、メールくださって、ありがとうございました。」

 

みきさん:「金城さん、もう〜!タダでこんなに御神託伝えちゃダメですよー!ちゃんと商売しなきゃ!今のも五万円分くらい納めてもいい(泣)申し訳ない‥。でもありがとうございます!寒くなる前に寝袋届けられるよう、メルカリ辞めてAmazonプライムにします!」

 

私:「いえいえ。私はみきさんにはずっと感謝が続いているんです。数年前、私が自分の娘を通わせていた保育園に度重なる不信感が生じて私が先も考えず辞めさせたはいいけど奉務をこなすのに困っていた時、みきさんが、金城さん、新しい保育園見つけたよ。子どもいたら仕事できないでしょ?!って言って連絡くれたことありましたね。うちの娘が入れる枠があるかあちこち電話して探してくれてた。あの時、どんなにありがたかったことか‥。みきさんのこと、新しい保育園の園長先生が、金城さんは素晴らしいご友人をお持ちですね、って褒めてくださったことは一生忘れないと思います。」

 

私は続けました。

 

 

私:「もちろん、神仏の力を使って商売しようと思ったら、いくらでもできると思います。事業に変えることだって、独自の宗教法人を作ることだってできると思います。でも、私は神や仏からこの役目を任されている以上、心に掟を持っているんです。依代である者として持つべき厳しい心の掟を。」

 

私:「あっ、冬になってお父さんまた乾燥で身体が痒いらしいので、保湿剤、痒み止め、小さいのでいいのでお仏壇に置いてあげるといいですよ。自分の想いで使われますから。」

 

みきさん:「かしこまりましたっっ!」

 

私:「じゃあ、頑張って!」

 

 

そして後日‥

 

みきさん:「金城さん、こんばんは。ご報告です。

お話したホームレスさんに寝袋お渡しできました。

今日夕方に寝袋届いたので、早速19時ごろお渡しに行って来ました。けど山形屋のおはぎは、仕事が押して買いに行けなかったので、急遽仕事帰りに買ったあわしま堂のおはぎになりました。

寝袋の包みの中にホッカイロも入れて、寝袋です。寒いのでよかったら使ってください。

と頑張って話しかけたら、

寝袋ですか?ありがとうございます。

ととっても穏やかな声で返事されました。

もっと違う反応が来ると思ってたのでなんか慌ててしまい、

あっ、これはおはぎです!よかったら食べてください!

とお渡ししたら、どなたさまですか?どこかの(団体の)?

って感じで聞かれたので、名乗らずに

何かお困りのことはありませんか?とお尋ねしたら、

そうですね、困ってることは特にありません。

と穏やかに返答されました

その言いようが、何だか自分は選んでここにいると言われているようで、なんと言ったらいいのかわからなくなって、

またお声かけしますから困ってることがあったら仰ってくださいね。

と言って逃げるように帰ってきてしまいました。

人それぞれ色々な事情があって、色々な生き方もあって、私がこの立ち位置からお気の毒だと思ってしまうのは失礼なのかもしれないと考えたことでした

けれど寒さは下手したら死んでしまうので、今日こんな寒い夜に寝袋をお渡しできて本当に良かったです

金城さんが一昨日私の背中を押してくださったおかげです!

本当にありがとうございました。

返信には及びません。

聞いてくださってありがとうございました。

金城さん、心から敬愛しております。」

 

私:「みきさん、素晴らしい!

すごく良いことをしましたね。

対人援助職を専門にしているのに、場面が違うから勇気もいったことでしょう。

また、みきさんの秀でているところは、寝袋を渡したという自己満足がゴールではないこと。

相手の心中を察し、深く自分の学びとして落とし込んでいること。

それが故に、良いことしたはずなのに、なんとなく後味の悪いような気さえする。

しなきゃよかったかな‥

迷惑だったかな‥

と思うかもしれない。

でも!

そんなこと絶対にありません。

確実に善行です‼︎

また来週はすこし寒さが和らぐようですから、その頃行かれて

寝心地はどうですか?

って聞いてみたら?

そのホームレスさんも、優しさは嬉しいけど自分に不甲斐なさを感じて切ない、でも総じてありがたさや感謝が勝っている夜を過ごしていることでしょう。

その方、前世、お坊さんですね。」

 

みきさん:「ひえーーー!やっぱり?お話しの仕方が常人と違ったんですよ‥。何かよっぽどの事情があられるのでしょうね。

本当に世の中は知らない事ばかりで、私はまだまだ学ぶことがたくさんありそうです。」

 

私:「いえいえ、そんなことありませんよ!そのホームレスさん、今世は寺を出て町中で学ぶことを自ら決めて降りて来られてます。まさに、みきさんへ

“かたじけなさに涙こぼるる“

でしょうね。」

 

みきさん:「涙してしまいました。家族みんな寝てて良かった‥。

世界中の人々が寒さに凍えず飢えもせず幸せに過ごせますようにと祈るばかりです。」

 

私:「みきさん、大好き。おやすみなさい。」

 

 

そして、このみきさんとの

エピソードを神職のお便りの前半として、ホームページに掲載した後のことです。

お便りをご精読くださっている、これまた私の大好きな氏子さん、たまみさん(仮名)からこんなメールが届きました。

 

 

たまみさん:「みきさんのお気持ちが伝わってきて心が温かくなってきました。

人に対してではないのですが、私も最近ずっと考えていることがありまして

トム(ネコ)と茶(ネコ)がいるので、もうこれ以上は猫を飼えないと思っているのですが、のら猫達が最近玄関で出待ちしてくれていたりするので猫小屋をDIYしようと思っていたところでした。

野良猫は長くは生きられないけれど、この厳しい寒さを少しでも和らげる工夫ができたらと思います。

不器用なので上手くできるか不安ですが猫ちゃん達のあったかテント作ってみようと思いました。

みきさんのお心がけにとても感激しました!

私はそのホームレスの方の身内でもないけれど、みきさんにありがとうございます、とお伝えしたいです!

昨日嫌なことがあり、人間って嫌だな自分も含め煩悩ばかりだなって思っていましたが、こんな素晴らしい心を持った方が人を救うし温かくするんだなと思いました。

文才がなく上手くお伝えできないけれど、ありがとうございます。

このお話を知れて良かったです。

長文ごめんなさい。」

 

 

後日、私がたまみさんからのメールをみきさんへ伝えましたところ、みきさんとっても喜んでいました。

 

二人ともとっても素敵ですよ‼︎

 

この二人のおかげで2025年巳年のよい納めとなりました。

 

鼻濁音を意識して‥「ありがとう。」