2021年06月24日

試される霊査力(其の二の前文)

日置市吹上町に、大汝牟遅(おおなむち)神社があります。
主祭神は大汝牟遅命さま、鎮座されておられ、御神徳は、商売繁盛・縁結び成就・病気平癒とされています。

 

日本全国に、神社は数多鎮座しますが、全ての神社にその数だけ別々の神々が存在するのではなく、由緒書きなどをよく見てみれば、御祭神の呼び名が違うだけで、あちらこちらの神社の御祭神と同一神であることに気付く方もおられると思います。

 

実は、この大汝牟遅神社の御祭神である“大汝牟遅(おおなむち)命”さまも、皆さまがよく知る所の出雲大社に鎮座されている“大国主(おおくにぬし)命”さまと、同じ神霊でいらっしゃいます。

 

だから、上記の御利益に於いては、必ずしも出雲まで遠路運ばなくてもいいという訳です。

 

人間に、得手不得手があるように、神の世界もそうですから、それぞれの分野で“持ち場”があります。よって、願事(ねぎごと)を携えてご参拝なさる時には、それを充分把握した上で、お運びください。

 

中には、歯科医院に行き、皮膚病を治してもらおうとするような方もいますのでね。
交通安全を願うべき神社で、恋愛を祈願して上手くいかなかったと言われても、大神さまはお困りになられます。
参詣に当たり、私たちはその神社の御祭神や大神徳について、むしろ予習して行くべきなのです。

 

そうして行くと、御祭神はとても喜ばれます。

 

霊媒を司る私でさえも、『神職のお便り、読んでいます。』とか、『ホームページ熟読して来ました。』と仰って頂くと、『おっ!頑張ろう!!』と意気込みが変わるものです。

 

また、神々はいくつもの呼び名をお持ちなのですが、この“大汝牟遅命”さま、特に多くの呼称をお持ちでございます。

 

大国主(おおくにぬし)命、大物主(おおものぬし)命、八千矛(やちほこ)命などなど…。まだまだあります。

 

なぜかというと…
スセリビメという本妻がおりながら、国造りをする傍ら、行く先々で名前を変えては恋愛結婚をし、子ども儲けていたからなんですね~。
100歩譲って、国造りの一環であるとも考えますが、これ神さまでなかったら、“フルボッコ”ですよね、女性の氏子さまたち!(笑)

 

ところで、この大国主命(大汝牟遅命)が祀られている神社には、(由緒書きになくとも)必ず、少名毘古那(スクナビコナ)神がセットで鎮座されています。
一寸法師の元になった神と言われていますが、大国主命が国造りをする際に同行されました。

 

この両神がペアとなったことで、更に多くの恩恵をもたらしたのです。

 

人々や家畜の為に、病を治療する方法を授けたり、農耕における害虫駆除を可能としたおまじないを教えました。

 

また、人間が早く亡くなってしまうことを哀れみ、
『温泉の術(ゆあみのみち)』を定めたり、酒造ももたらしたとも言われています。

 

これらが由縁で、商売繁盛・縁結び成就に加え、医療・医薬・農業・温泉・酒造・おまじない(占い)に関わる事業に強い大神徳(おおみのり)を発揮するとされているのです。

 

因みに先程、“由緒書きになくとも必ず、少名毘古那(スクナビコナ)神がセットで鎮座されています。”と、私がそのように明言出来た事由ですが、中学生の頃にこの神社で数回、ノミのように小さい神さまが、これまたノミのように小さい馬に乗って、目の前を飛び去るのを何度も見かけているからなのです。
その時は、『変なの!』くらいにしか思いませんでした。人霊や精霊、妖精なども普通に視えていたからです。その後、神道を学んだ時、視えること自体ではなくて、“由緒書きになくとも、少名毘古那(スクナビコナ)神が鎮座されている”ことを、自分の目で捉えていたということが一致したのに驚かされました。

 

それと、もうひとつ。
この大汝牟遅(おおなむち)神社は、何とも気さくで人間味のある、國生護矢宮司により、しっかりと其の聖域を護られているのですが、ある時、
「神さまは、なんか言いやらんね?足らんところはなかね?」
と、私に聞かれました。これだけ、お宮を大切にして奉務されているのだから、それはなかろうと思いつつ、大神さまにお訊ね申し上げました。
「“足りておる”と言われています。それよりも、不思議なんですが、ここの大神さまは、私へそのお姿を大きな黒い蛇の姿で視せられます。化身でもして視せておられるのでしょうか。」
と言いますと、宮司が
「いや、すごいね。ここは、実は奈良県の大神(おおみわ)神社から、お勧請しているんだよ!」
と笑みを浮かべて仰いました。
『成程、そりゃあ納得だ。』
腑に落ちた私と、安堵したお顔の宮司の間に、その瞬間、本殿から光が走って来た気がしました。

 

私はこんな時、ふと思います。

 

例えば“足りているか、いないか”なんて、“当たるが八卦”の感覚で、適当にその二択のうちのひとつを言うことは、霊媒じゃなくても可能でしょう。
しかし、やはり正しい霊媒であればこそ、イエス・ノーで終わらず、こうしてプラスαの事を付加し、霊媒たるやを呈することを視せられたり、言わされたりするのです。

 

だから、先日からお伝えしています、能動的に・根拠なく・あれこれ言って来るような“自称”の人を、相手にする必要などありませんからね。

 

そうそう、この“大汝牟遅(おおなむち)神社”の境内には、
〇男性用の銀杏の木
〇女性用の銀杏の木
〇御神木の大楠
〇石の子望神
〇男性用の石
〇女性用の石
があり、それぞれどれも神秘に満ちています。

 

また、境内を出ますが参道のその先の神域には、千本楠が広がるなんともまた趣のある、いやもう別世界が広がります。私の目には、木霊(白くてモクモクした煙のような、蒸気のような物)をたくさん捉えることが出来ます。

 

何年前だったかな、ある来談者の悩みは妊活に関してでした。
『なかなか、次が授からないんです。』
という言葉に、
『あっ、大丈夫。治療しなくても、直ぐに自然に妊娠するよ。但し、行って欲しいところがあるけどね。』
その時、私が霊視させられていたのが、今でも忘れません。
この千本楠の場所だったのです。

 

私はそこで、来談者が生命エネルギーをいっぱい身体に受けて来るように、その方法を教示しましたら、その後、直ぐ授かったとのことで、落ち着いた頃、お礼参りに来られました。

 

しかしながら、この大汝牟遅(おおなむち)命が吹上町を鎮座地とされたのも、必然の域であろうと拝察します。

 

商売繫盛・縁結び・病気平癒(医療・医薬)だけでなく、農業・温泉・酒造の御利益もあるのだから。

 

鹿児島県立農業大学校、吹上温泉、宝山で有名な西酒造…、成程!納得!!

 

写真は、
大汝牟遅(おおなむち)神社
鎮座地:鹿児島県日置市吹上町中原2263

 

國生宮司は、とっても話好きで和やかな方です。
お見掛けしたら、金城の名を出汁にお話をされるとよいでしょう。

 

さて、次回はそんな宮司から紹介を受けて、ご参拝に運ばれたある女性の話をお便りにします。