2022年03月25日

大和言葉(後編)

前編でご紹介差し上げた娘さまからのメールに、

「お便りを頼りにしています。」

という表現がございました。

 

私は、ここに(今回こそダジャレは置いておき)大和言葉へ触れたいと感じたのです。

 

 

ではそもそも、大和言葉とは何かをつまびらかにお伝えするとすれば、“飛鳥時代までの雅語です”となりますが、気楽に申し上げますと、“日本で昔から使われていた言葉”であり、その特徴は柔らかく、優しい表現が魅力的なところとでも言いましょう。

 

 

例えば、意外かもしれませんが、

〇恐れ入ります

〇私事

〇おかげさま

〇どういたしまして

〇行ってらっしゃい

〇お帰りなさい

なども大和言葉です。

 

 

ところで、この大和言葉(つまりは、もう現代大和言葉とも言われるようになりました。)は、チカラを持つと言われています。

 

それが分かり易い例えを幾つか…。

 

こんなことを人から言われたり聞いたり、或いは経験したことはございませんでしょうか?

 

「夢は、人にしゃべっちゃ、叶わなくなるよ。」

「実現するまでは、人に言わない方がいいよ。」

 

確かに、人から妬まれたりして不浄が入り、上手くいかないことがあります。

 

しかしこれを大和言葉のチカラの観点から見極めると、こうなります。

 

〇話す=離す=放す

 

そう!

話すことで、手離す(放す)ことになるのです!

 

他にも…

 

〇汚れる=気枯れる

 

〇疲れる=憑かれる

 

 

だから、大神さまは、私に“お疲れさま”と言うな、“疲れたぁ”と言うなといわれます。

 

「じゃあ、なんて言えばいいんだろう…。」

とつぶやく私に、大神さまは“ご苦労さま”と使うように言われます。

 

なんか偉そうでやだ(笑)

 

 

そういう意味では、大和言葉と難しく考えず、言の葉には言霊が宿るものとして、言葉自体を正しく、美しく使いたいものですね。

 

だから、今回

〇便り(神職のお便り)=頼り

と見せて頂き、嬉しみを感じたのです。

 

 

せっかくですから、私が割と使っている大和言葉を少しだけご紹介します。

 

〇ご自愛ください→お厭いください

〇お裾分け→お福分け

〇つまらないものですが→しるしばかりのものですが

〇お助けください→お力添えください

〇恐縮です→痛み入ります

〇元気で会いましょう→健やかにお会いしましょう

〇よいお天気ですね→よい日和となりました

 

などなど…。

(他にも挙げるときりがなく、『神職の大和言葉辞典』になってしまいます(笑)

 

 

大和言葉を駆使すると、受け手も伝え手も心地よく、どんな上品な方なのだろうと思いを馳せることでしょう。

そして、自然とそれに応じた所作や、身なりと合わせつつ、人は上質になるのではないでしょうか。

 

私もよくそのように皆さまからおっしゃって頂きますが…。

 

実際は…

金城家のリビングでは、しどけない姿の神職と、

「ぱか(ばか)!」

「ぱんち!」←(手を出す術を知らないので、遠くからのべつまくなしに口で言う(笑)

と、一丁前に兄妹喧嘩している二歳児の姿が…。

 

はい、そこには大和言葉など行き交いませんことを、有り体に申し伝えましょう(笑)