2023年10月05日

霊の操作

大学生の子どもも、夏休みにて自宅へ帰省し、フルメンバーとなったリビングの状がいつもより狭くて、それが子どもたちの成長の実感に代わり、家族みんなとすれ違う度、

 

「あれ?背伸びた?」

 

「あれ?髪切った?」

 

と、いちいちタモリのように私が絡むものだから、

 

「やば。」

 

と、放置されておりましたが、その日は珍しく中学生の息子が、思い詰めた雰囲気で近寄って来ました。

 

 

「なんか怖いんだけど‥。」

 

 

「分かる!体重計乗るの勇気いるよね。」

 

何も聞いていないのに、冗談でこう返しました。

 

 

「なんでよ!」

 

と、吹き出して反応する息子に、

 

「よし!」

 

と、ガッツポーズの私。

 

 

こんなふうに茶化せるのも、普段からコミニュケーションをしっかり取れていればこそです。

 

 

「ごめん、ごめん。で、どうした?」

 

 

「‥なんかさ、夜中部屋で音がするんだって。それが怖くて眠れない。」

 

『やっと?』と思った私はニヤリとしました。

 

 

「え?なんで?なんで笑うの?」

 

 

実は、私はお盆の頃から息子の部屋に女の霊が立っていることに気がついていました。

 

私だけではありません。

 

後で聞くと、この子の姉も分かっていたそうです。

 

 

 

「どこら辺で音がするの?」

 

と聞くと、やはり女の霊の立っているところを指差します。

 

 

 

「てかさ、この前からこれ、何?」

 

「あっ、ごめん。片付けるから。」

 

息子が部屋にお菓子やジュースを持ち込んでいました。

 

 

「お供えさせられたね。」

 

 

「え?お供え?僕が食べるつもりで持って来たんだけど、なんか食べないまま置いてた。」

 

『そうそう。霊は巧みだから。』と思って聞いていました。

 

 

 

「見てごらん。ここ、どうなってる?」

 

「え?あっ!なんか囲まれてる。」

 

 

「そうだよね。囲んであるよね。なんでこんな配置にしたの?」

 

「分かんない。何にも考えないで、そう置いてしまってた。」

 

 

 

「‥ここ、何かの陣地みたいに見えない?」

 

「うん。何で僕、こうしたんだろう。」

 

 

 

「‥その囲ってある空間にね、この前からずっと女の人がいる。」

 

 

「えっ!!」

 

 

私は、その女の霊の立ち姿を真似してみました。

 

 

 

息子は、この女の霊にすでに操作され始めていたのです。

 

その前から、夏休み期間ではあったものの、完全な昼夜逆転になっていました。

 

風呂もシャワーも入らない、散髪にも行かないなど、夏休みのひと月ほどで、風貌が激変してしまっていました。

 

挙げ句、霊の立つ周りを椅子やサイドテーブルなどで囲い、またそこにお菓子やジュースを置かされ(お供えさせられ)ていたのです。

 

 

 

「この形って、霊が自分のための仏壇を作らせてるんだよ。ここに立ってるでしょう?そしてここにお供えでしょう?」

 

「‥ほんとだ。どうしよう。」

 

 

「変な臭いがするなぁとか、なかった?お母さんには、霊臭もしてたんだよ。まぁ、この霊は腕の肘から先だけが腐敗してるのみだから、よく視る全身腐敗してる霊より霊臭は軽いけどね。最近は、クーラーばっかりで、あんまり換気もしてなかったでしょ。こういう浮遊霊はね、掃除、片付け、整理整頓がきちんとなされていて『気』が良ければ、逆に居心地を悪く感じて、出て行くんだから。でもこうやって居座られると、そのうち地縛霊になるだろうよ。」

 

「うん‥。」

 

 

「試しに、柏手を打ってごらん。音が響かないでしょ。そして、声も通らないでしょ。『気』が淀んでるからだよ。」

 

 

「ホントだ。ね、どうすればいい?怖い。」

 

 

「お母さんが、この人と部屋の浄化はするから、家中の窓を開けておいで。そして、椅子とサイドテーブルを定位置に戻して、お菓子とジュースをキッチンの元の棚に直しておいで。」

 

 

「分かった!」

 

 

 

その一件があってから、息子はお風呂に入る時も、トイレに行く時も、

 

「大丈夫だよね?」

 

と恐れて聞いて来ます。

 

 

私が、息子の背後を視ながら、

 

「大丈夫!怖くないよ、君は一人じゃないから。」

 

と、にやけて言うと、

 

「だからぁ‼︎」

 

と、本気で嫌がっています。(笑)

 

 

そのおかげで、親の言うことをよく聞くようになり、可愛い反抗期になっています。(笑)

 

 

なので、霊慣れしていて怖くなんかない私は、『あの女の霊は私の味方だったなぁ。センキュウ(←堀内孝雄風に)』と思っています。(笑)

 

 

 

それにしても、私が迫真の演技で髪を前に垂らし、前屈みになって、白目を向いて、霊の立ち姿を真似していたというのに、視えているこの子の姉は、

 

 

「霊の方が細い‥。」

 

などと、息子に囁いておりましたから!残念!!

 

 

氏子さんたちも、今、恐らく寝る前に携帯をいじっているかと思いますが、寝落ちどころかきっと吹き出しましたよね。(笑)

 

 

吹き出すどころか大ウケした失敬な氏子さん、この後、金縛りを体験出来ますように♡