2023年10月12日
どっちなの?
大学生の息子は帰省すると、歳の離れた妹を幼稚園へ送迎してくれたり、お風呂に入れてくれたりもして、本当に助かっています。
私が奉務を終えるとたくさんのメールへの返信、夕食の準備、受験勉強、レポート提出や科目試験、祝詞や霊符の奉製、執筆活動など、多分に成すべきがあるのを理解してくれてのことでしょう。
『家族だから、手伝い助け合うことに遠慮はしないけど、それが当たり前になって感謝が薄まるのはよくない。』と考えている私は、手伝いを“もらうことを減らす”ではなく、“楽しく行ってもらう”作戦を実行しています。
ゴミ出しをお願いした時、周って来る息子に、分かっちゃいるけど「何奴!」と言い放ち、勝手口のドアを素早く開けます。(手にはコロコロの長い柄の方を持っています。)
ゴミが多くて、3回周って来た時は、3回やります。
洗濯物を畳んでくれる息子が、個々の直す場所を間違え、なんだか私の二度手間になったとしても怒らず、「認知症にならないように脳トレさせたな?」と、正しくをやんわり伝えます。
さっき一緒に食べてくれればいっぺんに片付いたのに、友達とゲームをしていて遅くに食事を摂ろうとする息子に、その食器洗い含むその他の見えない家事を任せたい時も頼み事だけせず、レンジで温めているのを横目で眺めながら、「お主、さては美味しく食べようとしておるな。何奴!」と、お決まりのように絡んでから、「後、片付けといてね。」とお願いします。
それが功奏しているのかは分かりませんが、息子は毎回「ばっか!」と言いながら、笑って気持ちよく手伝ってくれています。(本当に思っているかもしれませんが)
さて、そんな息子を先日福岡まで車で送り、帰鹿した時の話です。
夜間の高速道路は、パラダイス。
トラックは多いですが、覆面がいない(笑)
警察官の氏子さん、ごめんなさい!
これに味を占めている私は、夜中に移動することが多いのですが、インターを降りてちょうどある公共施設の前に差し掛かった時でした。
丑の刻を20分ほど過ぎていました。
真っ暗の中、横断歩道を歩く人が。。
懐中電灯もスマホも持っていません。
私は左折しようとしていたのですが、『その人』は、横断歩道の真ん中辺りを歩いていました。
というか、”いきなり現れた”という表現が近いのです。
渡って歩く後ろ姿を見ていたのですが、幾つか“変”でした。
①先ず、足は交互に出しているんでしょうけど、歩くというより片足ずつ跳ねているんです。
②また、真夜中なのにツバのあるグレーの帽子を深く被っており、そこから覗く髪質はなんだか人工的でした。
それに、その帽子に合わないチョコレート色のスウェットの上下を着ていました。
私以外には、車も人もいませんでしたから、『その人』が渡り切るまで、気になって見ておりました。
だってその先は、私の車のライトも届かない更なる真っ暗闇で、尚且つ施設の入り口は大きな門でガッチリ閉められていましたから。
「どうやってその先に行くの?」
「てか、何処から入ろうとしてるの?」
「行ってどうするの?真っ暗だよ?」
そんなことを考えていましたら、ふっと見えなくなりました。。
”見えて”いたのは、”視えて”たのか。。
『その人』が、女性特有の癌に冒されたこと。
それでも生き延びようと、夜な夜な人目に触れない時間帯でここへ来て、体力を付けるために歩いていたことが分かったのは、その直後でした。
(同時に霊査出来なかったのは、その時に私が霊視していなかったからです。)
「なるほど…。グレーの帽子の下から覗いていた髪の毛は、ウィッグだったんですね。抗がん剤治療の副作用で、髪が抜け落ちたんだ…。でもね、もう亡くなっているんですよ。体力の付け足しをしても、生き返ることはないんです。亡くなった事実を書き換える事は出来ないんです。だから、どうか気が済んだら上がってください。私の助けが必要なら教えて。」
明け方近く、廣前からこんな言葉を掛けてみました。
翌朝、この話を息子にしました。
「お母さんさぁ、真夜中に、“なんかいい事あったげなオネエを見た”と思ってたら、霊だった。」
というと、「ばっか!普通、怖がるでしょ。」と笑われました。
「はぬっ!」
確かに小指は立っていなかった。←オネエの先入観(笑)
いや、でも氏子の皆さんもこのお便り、少し戻って①と②のとこだけ読み返してみてください。
ね?ほら!でしょう?!
先日の神職のお便りも、あの内容ですから”怖い”エピソードとして仕立てることも出来ました。
しかし、どうしてもどうしてもどうしても、ふざけたい気持ちを隠せなかった。
幸い氏子の皆さんにウケて頂いたようで、胸を撫で下ろしています。
だって、霊よりスベる方が恐怖ですからね(笑)