2023年11月02日
聖地でもあり
「ご無沙汰しております。今日はよろしくお願いいたします。」
リフォーム会社を経営するあつしさん(仮名)が廣前においでになりました。
「ホントお久しぶりですね。あちこちで看板を見掛けますから、“なかなかの奮闘ぶりだなぁ。”と頼もしく思っていたところですよ。」
「ありがとうございます。」
あつしさんは、嬉しそうにお礼を言いながら名刺を差し出してくれました。
私は、名刺の裏まで拝見して驚きます。
「まぁ!やっぱりそうだったんですね。“じゃないかなぁ。”と思っていました。」
「はい。」
私が何を言わんとしているかを分かっておられました。
不動産業や、企業主導型保育園もニカ所経営しておられたのです。
「さすがですね!あつしさんは、ほら、大神さまが、“そなたは神輿の上に乗る人間じゃ”って言われてましたもんね。私なんか反対で、専ら“神輿を担ぐ側”ですけど。」
あつしさんが照れながら頭を下げます。
「いや、金城先生のおかげです。僕がリフォーム会社を立ち上げる時、父方の実家のある関東で起業しても良いものか相談に来ました。しかしその時、神さまと金城先生は、『母方の祖父に強く護られているから、この鹿児島で展開しなさい。成功するから。』とおっしゃいました。あれから本当に御神託の通り、不動産事業にも携わることが出来ており、自社ビルもいくつか持てて、会社はどんどん大きくなっています。」
「そうですか!勿論、あつしさんの弛まぬ努力と、神仏への信仰心があってのことと存じますがね。ちなみに、立ち上げてからもう何年になりますか?」
「はい。18年になります。」
「え〜!もうそんなに経つんですねぇ。ついこの前、立ち上げのご相談を受けたような気がします。」
「早いですよね。ここまで来る中に、何度か事務所の場所を移し、その度に金城先生にご相談に来ていました。」
「あっ、そうでしたか!はっきり覚えていなくてごめんなさい。」←ホントは、はっきりどころか、きれいさっぱり忘れていました。
「いえ、悩みのある方がたくさん来られるでしょうから当然です。実は、これまでそうやって移転場所を決めて来ていたのに、三年前、今の場所に移転する時には、金城先生に相談に来なかったんです。それで今日の相談に書いてあるんですけど、今の場所に移ってから従業員が結託して出て行ったり、お金を返さないまま行方不明になった身内兼従業員もいて、この場所になんかあるんじゃないかと思うようになりまして‥。」
「そんなことが起こっているのですか‥。ところでこの事務所のある建物、あつしさんの会社が入る前は、どんな使われ方をしていたのでしょうねぇ。知っていらっしゃいますか?」
「はい。知り合いの方の会社が入っていました。しかしそこも、うちの会社と同じように従業員が離れていったり、仕事が途中で上手くいかなくなったりして、ここを出たと聞いています。」
「なるほどね。私は既に建物自体というより、場所に関係しているような感じを受けるのですが、大神さまにきちんと御神託を頂きましょう。」
「はい。よろしくお願い致します。」
掛け巻くも綾に畏き‥
祝詞に続く、大神さまの御神託は次の通りでした。
「ここは良くない。鎮め石としての役割をしておった石が、この建物を建てたり、道路を整備した時に粉砕されておる。それ故に、まとまっていたものも滅び、離散となっておるのじゃ。」
ここまで言葉を頂いて、私は御神託を止めました。
この御神託の内容を理解してもらうには、補足が必要だと思ったからです。
「あつしさん、大神さまが“鎮め石”と言われましたね。そもそも鎮め石が何かとは、ご存知でしょうか?」
「いえ。知りません。」
「鎮め石は、よく神社の境内に祀られています。宮崎県の高千穂神社にはございますよ。それが何かと言うとですね。」
「はい。」
「人間に多面性があるように、神さまも御魂に極端な二面性をお持ちです。和魂(ニギミタマ)といって、雨や日光の恵など、神の優しく平和的な側面と、荒魂(アラミタマ)といい、天変地異を引き起こし、病を流行らせ、人の心を荒廃させて争いへ駆り立てる恐ろしい側面です。」
私は続けました。
「皆さんが良く知るさまざまな神社には、御祭神の和魂の方が祀られています。神さまは優しい一面で私たちをお護りくださり、願いを聞いてくださっているのです。そして、荒魂の方は石にお鎮めになられ、境内のどこかに鎮座されていらっしゃったり、若しくは別な神社にその一柱(ひとはしら)の御祭神としてお祀りされているのです。」
更に続けました。
「だから、分かりますよね?その荒魂の宿る鎮め石の代わりのような役目をしていた石が、この建物の下で粉砕されているということは‥。従業員の裏切りと身内の離散、仕事の低迷などが起こってもおかしくないんです。」
「なるほど‥。合点が行きました。」
あつしさんの深く理解し、胸に落とし込む様子が伺えました。
と、その時、大神さまからまた御神託が届きました。
私はそれをまとめて受け取り、自分の言葉に変えてあつしさんに伝えました。
「う〜ん。でも、あつしさんのバイオリズムを視ると、破壊の年ともなっています。つまり、起こっている出来事を、あつしさんが星の流れに上手に乗っているということだとも言えるのです。来年からは、再生や創造が起こりますから、ずっとこのままではありませんので、安心してください。つまりこの場所も、発想の転換をすれば、“リセットさせてもらえる聖地”ということでしょう。あつしさんの周りに起こっている事象は、星の流れとも一致しているので、行くべくして行ったような場所だと言えます。この場所に来てから、離れていった人たちは、これから会社がまた新しくラウンドを始めるのに、不要な存在だったと言えますね。離散上等!」
吹っ切れて物言う私を見て、あつしさんの顔は浮雲が晴れ渡るように清々しくなり、
「今度は、必ず(御神託を)聞きに来ます!」
と足取り軽やかに戻られました。
現時点ではマイナスでも、総じてプラスに進んでいるということはよくあることです。

